人生において、「あの時ああしていたら良かった」「もし、違う選択をしていたら」と振り返ることは、誰しも一度はあるのではないでしょうか。
もし、あなたの人生がやり直せるとしたら、どんな選択をしますか?
アニメや漫画の世界では、そんな“人生のやり直し”をテーマにした作品が数多く描かれています。
今回は、人生をやり直す主人公たちに焦点を当て、5作品を取り上げて勝手に検証・比較していきたいと思います。
やり直し人生の主人公たちを勝手に検証してみた
ここからは、「人生をやり直す」という同じテーマを持ちながらも、まったく違う道を歩む主人公たちを見ていきます。
ループによって何度も人生を繰り返す者もいれば、過去に戻って運命を変えようとする者、あるいは別の人生をもう一度生き直す者もいます。
同じやり直しという設定でも、目的や行動、物語の雰囲気は作品ごとに大きく異なります。
ここでは5作品を取り上げ、それぞれの主人公がどのように人生をやり直しているのかを、紹介します。
ループ7回目の悪役令嬢は元敵国で自由気ままな花嫁生活を満喫する
「ループ7回目の悪役令嬢は元敵国で自由気ままな花嫁生活を満喫する」の主人公リーシェ・イルムガルドは、王太子ディートリヒに婚約を破棄されたことをきっかけに、何度も人生をループするという稀有な運命を辿ることになります。
最初は戸惑いながらも、リーシェは人生を繰り返すうちに、「どうせなら自分らしく生きよう」と前向きに考えるようになります。
彼女が選んだ人生は、商人、薬師、メイド、騎士と実にさまざまで、どの人生もリーシェにとって無駄ではなく、多くの知識や経験を積み重ねる大切な時間でした。
しかし、どの人生においても、リーシェは20歳で戦争に巻き込まれ、命を落としてしまいます。
この運命から逃れ、今度こそ天寿を全うしたい、そう願うリーシェが迎えた7回目の人生では、6回目の人生で自分を殺した男、敵国の皇太子アルノルト・ハインの婚約者になるという、皮肉な運命が待っていました。
実は、これまでの人生でも、リーシェは何度もアルノルトが関わる戦争に巻き込まれて命を落としているのです。
果たしてリーシェは、今度こそ天寿をまっとうすることができるのか。
そして、彼女のやり直しの人生は、運命の人であるアルノルトと出会うためのものだったのか。
アニメの続編が待ち遠しくなる展開です。
何度も違う人生を歩んできたリーシェは、そのたびに得た知識や人との縁を糧に、着実に成長していきます。7回目の人生では「のんびり暮らす」と言いながらも、結果的には誰よりも国や世界のことを考え、懸命に行動していく姿が印象的です。
悲壮感よりも、状況を冷静に分析し、最善手を選び続ける戦略的な姿勢が光る本作は、「同じ人生を繰り返しているはずなのに、選択次第で未来はいくらでも変えられる」というテーマを軽やかに描いています。
やり直し系作品の中でも、前向きで知的なアプローチが魅力の一作です。
東京リベンジャーズ
『東京リベンジャーズ』は、主人公・花垣武道のタイムリープによるやり直しを描いた物語です。
武道は26歳のフリーターで、冴えない日々を送っていました。
そんなある日、テレビのニュースで、中学時代に付き合っていた唯一の彼女・橘日向が事件に巻き込まれて死亡したことを知ります。
絶望の中、駅のホームから転落した瞬間、武道はなぜか12年前の中学生時代へとタイムリープしてしまいます。
こうして、武道の「やり直しの人生」が始まるのです。
とはいえ、武道は中身が少し成長しているだけで、突然チート能力に目覚めるわけではありません。
ただ一つ違うのは、「もう逃げないこと」と「日向を必ず助けること」を固く誓ったことです。
殴られても、蹴られても、どんなに追い込まれても立ち上がり続ける武道の姿に、次第に周囲の人間も彼を認めるようになっていきます。
本作はヤンキー漫画としての熱さもありつつ、同時にミステリー要素も強く、見どころの多い作品です。
武道は何度もタイムリープを繰り返しながら未来を改善していきますが、それでもどこか満ち足りない感覚が残ります。
そのヒントは、タイトルが示す通り「リベンジャーズ」と複数形であることにあります。
過去に後悔や悔しさを抱えているのは、武道だけではないのです。
つまり、武道一人の力では「やり直し」は不完全であり、人を蹴落として手に入れた未来は、結局また別の不幸を生んでしまう、そんなメッセージも込められています。
『東京リベンジャーズ』の“やり直し”は、知識や能力で無双するタイプではなく、何度失敗しても立ち上がり、人との関係を積み重ねながら運命を変えていくところが大きな特徴。
努力と根性、そして仲間との絆が物語の中心にあるからこそ、熱い人間ドラマとして強く心に残る作品です。
外科医エリーゼ
『外科医エリーゼ』の主人公エリーゼは、前世で「悪女皇后」として処刑され、家族もまた悲惨な最期を迎えるという結末をたどりました。
その後、前世の記憶を持ったまま、現代日本で天才外科医・高本葵(たかもと あおい)として生まれ変わり、多くの人々の命を救う人生を歩みます。
しかし、葵は孤児として育ち、前世で恵まれた立場にいながら身勝手に生きてしまったことを、ずっと後悔し続けていました。
そんなある日、海外へ向かう飛行機事故に巻き込まれ、乗客を助けるために尽力した末、自らは命を落としてしまいます。
ところが、次に目を覚ました場所は、なんと再びエリーゼとしての人生でした。
この物語の面白さは、単なる転生ではなく、「過去の過ちをやり直す」人生が描かれている点にあります。
かつてわがままで傲慢だったエリーゼは、前世と前々世の記憶を持ったまま改心し、まるで別人のように振る舞うようになります。
しかも、天才外科医としての知識と技術を活かし、これまで解決できなかった医療の問題にも立ち向かい、人々を次々と救っていくため、周囲もその変化に驚かされることになります。
エリーゼ自身は強い贖罪の意識を抱いているため、かつて自分を処刑したリンデン皇太子との婚約を一度は断ろうとします。
しかし、本来はエリーゼに興味を示さなかったリンデンも、彼女の変化と行動を目の当たりにするうちに、次第に惹かれていくようになります。
エリーゼが医師として生きる道を選ぶのか、それとも皇太子妃として生きるのか、その選択も本作の大きな見どころの一つで、続編のアニメ化が気になるところです。
同じ「人生をやり直す」物語でも、「より良い立場を得る」「生き延びる」ことが目的の作品とは違い、『外科医エリーゼ』はどう生き直すかそのものがテーマになっています。
やり直しを「罰のやり直し」ではなく、「医師として人命に向き合おう」として描いている点こそが、この作品ならではの魅力と言えるでしょう。
お姫様になってしまった件
主人公アナスタシアは、父である皇帝クロードに愛されようとした結果、命を奪われてしまうという、あまりにも悲惨な運命を背負っていました。
ところが彼女は、赤ちゃんの頃からたびたび、その“最悪の未来”を予知するような夢を見るようになります。
アナスタシアは、その運命を回避するために行動を起こします。
しかし、慎重に距離を取るつもりだったはずが、なぜか予想外にも父・クロードと出会ってしまうのです。
予定外の出来事ではありましたが、アナスタシアはクロードの不信を買わないよう、健気で少しあざとい態度で接していきます。
一方のクロードは、見た目こそ冷酷で近寄りがたい皇帝ですが、次第にアナスタシアを溺愛するようになっていきます。
その関係が少しずつ変わっていく過程が、この作品の大きな見どころです。
そもそもクロードがアナスタシアを避けるようになった理由もまた切なく、物語に深みを与えています。
実は、アナスタシアが見ていた夢は、かつて実際に起こった出来事でした。
母であるダイアナが、あまりにも悲しい運命を変えたいと願い、時間を巻き戻したことによって、今の世界が生まれたのです。
つまり、アナスタシアのやり直しの人生は、娘を思うダイアナの愛によって与えられたものだと言えるでしょう。
物語は親子愛を中心に描かれているため、恋愛要素はやや控えめです。
むしろ、アナスタシアにとって最大の壁であり相手役は、父であるクロード。
現在アニメは物語の途中までの放送となっており、続きがますます気になる展開です。
漫画とアニメで少しずつストーリーの描き方が違う点も見どころで、ぜひ両方見比べてほしい作品です。
『ティアムーン帝国物語 ~断頭台から始まる、姫の転生逆転ストーリー~』
主人公は、わがままで無能と評され、革命によって処刑されてしまったティアムーン帝国の皇女、ミーア・ルーナ・ティアムーン。
しかし、死んだはずの彼女が目を覚ますと、なんと12歳の頃の自分に戻っていました。
枕元には、処刑に至るまでの出来事が記された「血のついた日記」。
それは、自分の処刑が夢ではなく、実際に起こった未来であることをはっきりと示していました。
こうしてミーアは、「とにかく処刑だけは免れたい」という一心で、やり直しの人生を決意します。
いわば、自己保身のためのやり直し人生の始まりです。
ただし、ミーア自身も革命と処刑という壮絶な経験を経て、少しずつ変わっていました。
人の痛みを知り、誰かに優しくされることは当たり前ではないと気づき、食事ひとつにも感謝するようになるのです。
もともと最悪のイメージしかなかったミーアが、少し良いことをするだけで周囲が驚く、というギャップも本作の面白さの一つです。
さらにミーアは、あくまで「自分が生き延びるため」に動いているだけなのに、その言動がなぜか周囲には「民を思う賢君」「先を見通す聖女」のように誤解されていきます。
その結果、帝国だけでなく周辺諸国まで良い方向に導いてしまう、この勘違いの連鎖こそが、『ティアムーン帝国物語』最大の魅力と言えるでしょう。
個人的には、前世で執着していたシオン王子をあっさり諦め、自己保身のためにアベル王子へと乗り換える展開がとても印象に残っています。
しかも、ミーア自身は本来なら絶対に避けたいはずの因縁ある人物たちとも関わることになり、いつの間にか友情まで育んでいくのですから、そのズレっぷりが本当に笑えます。
ミーアは「悪女」というより、実のところ無知で世間知らずだっただけなのかもしれません。
彼女のやり直しは、決して贖罪から始まるものではなく、自己保身の自分ファーストが出発点。
それでも、その行動が少しずつ周囲と自分の環境を変えていく、そんな前向きさが、この作品を読んでいて元気をもらえる理由だと思います。
まとめ
今回は、「ループ7回目の悪役令嬢」「東京リベンジャーズ」「外科医エリーゼ」「ある日、お姫様になってしまった件について」「ティアムーン帝国物語」の5作品を通して、やり直し人生をテーマに主人公たちをご紹介してきました。
同じ「人生のやり直し」でも、経験を積み重ねるタイプ、過去を変えるために戦うタイプ、贖罪から始まる再出発、親の愛によって与えられた二度目の人生、自己保身から始まる勘違い成功譚と、その描き方は作品ごとにまったく異なります。
だからこそ、やり直し系の物語は幅広い楽しみ方ができるジャンルだと言えるでしょう。
気になった作品があれば、ぜひ原作やアニメでチェックしてみてください。
今回ご紹介した作品はAmazonプライム・ビデオで配信されています。
見放題・レンタルなど配信形態は時期によって変わることがあるため、気になる方は公式ページで最新情報をご確認ください。



